AT車限定の普通免許という選択肢
AT車のみ運転できるAT車限定免許。
AT=オートマチック・トランスミッション(自動変速機)。クラッチペダルなし。
MT=マニュアル・トランスミッション(手動変速機)。クラッチペダルあり。
AT車限定免許が登場して以来、AT車の普及とともに取得する人の割合も増加しています。
これから普通免許を取得しようと考えているあなたも迷われているのではないでしょうか。
AT車を取り巻く現状と、限定なし免許(以下MT免許)との比較を踏まえてご紹介したいと思います。
AT車の現状
近年では乗用車の年間販売台数でAT車の比率が98%以上となっています。
総登録台数の比率ではありませんが現在走っているほとんどの乗用車がAT車と言える状況です。
MT車の運転が必要とはっきりしていない限り、AT限定でも差し支えない状況と考えられます。
AT限定では困るケースは?
ではAT限定で困るケースを考えてみましょう。
MT車を運転したい、購入したい、家族が持っている
迷うことはありませんね。MT免許へ一直線。
社用車を運転するかも
業種・職種にもよりますがMT車の割合が高い場合があります。
現場に軽バン・軽トラックで移動するような仕事の場合、MT車も多いためMT免許が必要になります。
逆に営業車などの場合にはAT限定で十分というケースも多々あります。
自動車関係の仕事
整備や販売など自動車関係の業種の場合、様々な乗用車を運転するためMT免許が必要になる場合があります。
乗用車運転手の仕事に就くかも
タクシーなど事業用であってもAT車の割合は増加しています。
ただ気候などの地域性でMT車主流の場合もないわけではありません。
最終的には勤務先次第ということになってしまいます。
MT免許であれば最低限心配はありませんが、普段MT車を運転する機会がない人のほうが多いわけですし、後述のようにAT限定の人が増えていることを考えると事業用途の車も徐々にAT車に移行していくことになるとは思います。
また普通二種免許をめざす場合、普通二種もAT限定にするのか考慮が必要です。
AT限定可のタクシー会社もありますが会社の状況によりますし、入社後に二種免許取得となる場合もあります。
バス・トラック運転手の仕事に就くかも
現在の普通免許ではバスはもちろんトラックもほぼ運転できません。
必然的に準中型以上の免許を目指すことになります。
準中型・中型・大型にはAT限定がありません。
AT限定の普通免許から直接目指すことは可能ですがトラックのMT車での教習となるので非常に大変になることが予想されます。
また実際の現場でもAT車のバスやトラックも徐々に増えているとはいえ、大型車両になるほどまだまだMT車が主流です。
免許取得の現状
普通免許の取得状況としては、近年ではAT限定が6割以上と増加傾向です。
当初は「AT限定じゃかっこ悪い」という風潮もありましたが薄れつつあるのではないでしょうか。
ただ過半数ではありますがAT車の普及状況と比べるとむしろAT限定の割合が少ないとも言えます。
前述のケースなど様々な理由は考えられますが費用などの差が小さいという面もあるかもしれません。
AT限定免許とMT免許では教習時間で技能3時間、費用で15,000円程度の差があります。
小さいとは言えませんが全体の教習時間・費用で見た場合には非常に割合は小さくなります。
一方でAT限定免許を後から限定解除した場合、技能4時間、費用で50,000~80,000円程度になります。
限定解除の場合、改めて卒業検定日がありますので最短3日は必要です。
初めからMT免許を取得したほうがお得ではありますが、MT車の運転にまったく興味がない場合はMT車の教習は大変かもしれません。
MT免許が必要になる可能性がゼロでなくても低いのであれば必要になってから限定解除するという選択肢もあるかと思います。
試験場での一発試験についてはここでは触れません。
まとめ
初めからMT免許を取得する場合、教習で安全にMT車に慣れることができます。
一方で教習時間は長いですから興味がなかったり苦手な人には大変になることも事実です。
必要になってからAT限定を解除するという選択肢も含め検討してみてください。
普通免許をAT限定にしようか迷っているあなたの判断材料になれば嬉しく思います。