運転免許

中型免許、準中型免許はなぜできたの?道交法改正と免許新設の理由

中型免許、準中型免許の新設

2007年6月2日の道交法(道路交通法)改正により中型免許が新設、2017年3月12日の改正ではさらに準中型免許が新設されました。
その結果、普通免許で運転可能な範囲が狭まることになりました。
また同時にそれぞれの免許の教習・試験内容も追加、変更されました。

なぜこのような改正が必要になったのでしょうか。

これにはトラックの重大事故が増加したことが背景にありました。

 

トラック(貨物自動車)の大型化

道路がきれいに整備され、技術が改良されていくと当然ながら自動車は進化します。

走行性能はもちろんのこと、最近の乗用車では燃費や車内の広さなど非常に良くなっていますよね。
同様にトラックも効率よく、たくさんの荷物を運べるようにと特に大型化していきました。

その結果、普通免許にしろ大型免許にしろ運転できる限界の車のサイズが非常に大きくなりました。

乗用車の教習(普通免許)で、家族の引っ越しサイズの4tトラックが運転できます。
7m位のトラックの教習(大型免許)で、倍近く長い12mの10tトラックが運転できます。

お得な感じはしますが、しっかり練習しないまま巨大な車を運転できてしまうという状況です。

重大な事故が増加しても仕方のない状況と思えます。

 

中型免許の新設

このような状況から、普通免許の上限の抑制と、大型免許の教習内容の改善を目指して中型免許が新設されました。

普通免許は小型トラックに制限され、4tトラック(総重量8t)は中型免許が必要になりました。
大型免許も特に大きな自動車を対象としたものになり、積載量6.5t(総重量11t)以上が大型、それ未満が中型となりました。

合わせてこれまでの大型免許の教習車は中型免許の教習車とされ、新たに大型免許の教習車がフルサイズ12mのトラックに。

これで大きめのトラックは中型免許が必要、特に大きなトラックは大型免許が必要であり、適した車で教習するという状況に改善されました。

 

準中型免許の新設

中型免許ができてめでたしめでたし、とはなりませんでした。

新しい普通免許も乗用車で教習するわけですから、小型でもトラックの事故は発生します。
また環境性能・安全性能などの改良でトラックが重くなり、普通免許では乗れない車が増えました。

つまりトラックに乗るなら中型免許が必要ですが、中型は20歳以上&普通免許を取って2年以上。
高卒や免許取り立てでは中型が取れず、トラックを使う仕事ができないという状況になりました。

その結果、昨今の運送業界の人手不足もあり、準中型免許が新設されました。

準中型免許は18歳以上ですので普通免許と同じく条件なしで受験することができ、小型トラックでの教習になります。
同時に普通免許がさらに制限され、一部の小さなトラックを除いてほぼトラックが運転できなくなりました。

こうして普通免許はほぼ乗用車用、トラックを運転するなら準中型が必要となり、年齢条件とともに中型・大型とステップアップできる形になったと言えます。

 

まとめ

トラックは乗用車と異なり、前輪の上(前)に運転席があるため運転感覚がかなり異なります。
また準中型であっても車体が長めで、中型・大型と長くなればなるほど運転が難しくなります。

しっかりとトラックを使って教習することは重要だと思いますので、現在の免許制度が重大事故の防止とプロ意識の向上につながることを願っています。

 

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