第二種運転免許
いわゆる「二種免許」は、お金をもらって車でお客さんを運ぶ場合に必要な免許です。
バスやタクシーの運転手さんの免許と言えばわかりやすいですね。
つまりお金をもらってお客さんを運ぶには普通の免許(一種免許)ではだめですよ、ということです。
二種免許が必要になるのは?
前述のようにバスやタクシー、ハイヤーの運転手さんが代表的な例ですが、運賃を車内でもらうかどうかは関係ありません。
貸切バスや観光バスなど運転手自身ではなく事前に運賃をもらうような場合でも二種免許が必要になります。
逆に路線バスやタクシーであっても営業運転でなければ二種免許は不要です。
バス会社やタクシー会社の車を移動するための回送運転や試運転などは一種免許でもできます。
他には運転代行サービスの運転手さんも二種免許が必要です。
電車が便利な都心部では馴染みが薄いですが、車が必需品の地域ではおなじみの運転代行。
お酒を飲んだりして運転できない人の車を代わりに運転して自宅まで送り届けてくれるサービスです。
自分だけでなく車も運んでくれるタクシーといったところでしょうか。
運転代行はお客さんの車を運転する人と、帰るための車(随伴車)を運転する人の二人組です。
お客さんは自分の車に乗ってもらうのでお客さんの車を運転する人は二種免許が必要です。
逆に帰るための車(随伴車)はお客さんの車についていくだけで運転手一人ですので二種免許は必要ありません。
お客さんを運ぶ仕事としては、介護施設の送迎車やスクールバスなどもありますが無料送迎であれば二種免許は必要ありません。
ちなみに教習所の教官も生徒さんを運ぶことが目的ではないので二種免許が必須というわけではないそうですよ。
教習指導員の資格が別に必要ですが…
法的に二種免許が不要であっても会社の規定で必要な場合もありますのでご注意ください。
白タク?白バス?
二種免許は運賃をもらいお客さんを乗せて運転する資格ですが、事業自体の許可ではありません。
営業許可を受けているバス会社やタクシー会社で社員として運転することはできますが、二種免許を持っているからといって勝手に自分の車で営業することはできません。
勝手にバスやタクシーの営業をすることを白タクや白バス(白ナンバーの自家用車を使うことから)と呼んでいます。
白タク・白バスは無許可営業のことを指していて免許のことではないのですが、営業許可を得ているかどうかとは別に一種免許で営業運転をすれば無免許運転となってしまいます。
二種免許の種類
二種免許には以下の5つがあります。
- 普通二種
- 中型二種
- 大型二種
- 大型特殊二種(大特二種)
- けん引二種
あれ?と疑問に思うところがあるかもしれません。
準中型二種はないの?
自動車の二種免許は普通・中型・大型の3つだけで準中型はありませんね。
これは乗車定員が普通と準中型のどちらも10名のためです。
二種免許はお客さんを乗せるための免許なので定員が変わらないなら用意しても意味がありません。
一方で自動車の重さは普通と準中型で違うわけです。
つまり準中型の重さの車でお客さんを乗せるなら準中型二種はやっぱり必要な気がします。
しかし10名乗車の車は一般的に普通免許で運転できる重量です。
逆にいうと準中型の重量の車は乗車定員10名ということはなくもっと乗れる車になります。
乗車定員が10名を超えると中型免許が必要になるため、やはり準中型二種はあまり意味がありません。
準中型二種があれば運転できる、というレアケースも考えられますがその場合は中型二種が必要ということになります。
例えばマイクロバスを改造したラグジュアリーな10人乗り観光バス、などがあれば準中型二種になるのかもしれませんが実際には中型二種が必要ということになります。
大特二種、けん引二種ってどんな車?
大特は大型特殊自動車、主にショベルカーなどの重機ですよね。
それにけん引はトレーラーなどを引っ張るための免許です。
お客さんを乗せるのが二種免許の目的なのにどういうことでしょう?
実はごく限られた場合にしか使い道がないレアな免許です。
大特二種はスキー場や雪深い地域で使われるキャタピラ式の路線バスなどに使われます。
キャタピラ構造の車両は特殊自動車になるためで、さらに無料送迎ではなくお客さんを有料で運ぶ場合に限られます。
けん引二種はトレーラータイプの路線バスなどに使われます。
運転手の乗るトラクター(引っ張る車)と乗客の乗るトレーラー部分とが分離できる構造の場合に限られます。
トレーラータイプの車両はたいてい大型ですので大型二種とセットになりますね。
ちなみに連節バスと呼ばれるバス2台が繋がったようになっていて折れ曲がる形の車がありますが、分離できない構造のためけん引免許は不要となっています。
原付二種ってなに?
原付二種という言葉を聞いたことがあるかもしれません。
運転免許、つまり道交法(道路交通法)では原付は50cc以下、小型二輪が125cc以下となっています。
しかし車両法(道路運送車両法)では原付一種が50cc以下、原付二種が125cc以下となっています。
つまり原付二種とは免許の種類ではなくバイク側の種類なんですね。
いわゆる50ccの原付より少し大きいバイクということになります。
この原付二種バイクの運転には原付免許ではなく普通二輪(小型限定)以上の免許が必要になります。
まとめ
バスやタクシーの仕事に必要な二種免許。
取得も一筋縄ではいきませんが運転手の仕事を目指すならぜひ知っておきましょう。